2012年8月12日日曜日

読書(141/365)★★★ 蜘蛛の糸 芥川龍之介著

【今日の出来事】
 本日の2冊目は芥川龍之介さんの著書。


【本の紹介】
(141/365) 蜘蛛の糸 芥川龍之介著

蜘蛛の糸 (280円文庫)蜘蛛の糸 (280円文庫)
芥川龍之介

角川春樹事務所  2011-04-15
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【くまの感想】
 まったくありえない話なのだけれど、なんだか物語にのめりこんでいける
 不思議なのだ。

 これはある意味、宗教の説教の話に似ているような印象を受けた。
 地獄と天国、そして仏様、神様の存在。

 ■引用メモ■
  ある時この男が深い林の中を通りますと、小さな蜘蛛が一匹、路ばたを
  這って行くのが見えました。そこでカン陀多は早速足を挙げて、踏み殺そう
  と致しましたが、「いや、いや、これも小さいながら、命のあるものに違いない。
  その命を無暗にとると云う事は、いくら何でも可哀そうだ。」とこう急に思い
  返して、とうとうその蜘蛛を殺さずに助けてやったからでございます。

  ⇒ そう、まさにお坊さんのお説教に出てくるような話なのだ。そして、この
   蜘蛛を踏みつぶさずに助けたことから物語がどんどん進んでいくのだ。

 ■引用メモ■
  銀色の蜘蛛の糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように、一すじ細く
  光りながら、するすると自分の上へ垂れて参るのではございませんか。

  ⇒ 銀色の蜘蛛の糸が地獄に垂れてくる様子がよくわかるのが面白い。
   

 ■引用メモ■
  自分ばかり地獄からぬけ出そうとする、カン陀多の無慈悲な心が、そうして
  その心相当な罰をうけて、元の地獄へ落ちてしまったのが、御釈迦様の
  御目から見ると、浅間しく思召されたのでございましょう。

  ⇒ 誰もが同じ心理で行動するのではないだろうか? そんなことを突き
   つけられているようでもある。


 この状況は、生活をしているといくらでも遭遇することがある。自分だけ
 助かろうとする。自分だけよければ後はどうでもいいのだ?そんなことを
 考えることは多かれ少なかれあるのではないでしょうか?

 正解はないが、この物語は深いのだと感じた。


出会えた本に感謝。 いつも閲覧いただき、ありがと!感謝!

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