2011年7月20日水曜日

読書(190)★★★ 父として考える 東浩紀・宮台真司著

【今日の出来事】
 こんばんは。台風が遅々としてやってきてます。被害があったところも
 あるようですので心配ですね。

 唯一涼しくなっているのがいいくらいでしょうか?

『今日の(よかった)from 陽転思考』
  ■ 今週ももう終盤。いいペースを守れているので「よかった」

【本の紹介】
  (190) 父として考える 東浩紀・宮台真司著 NHK出版 生活人新書
       
父として考える (生活人新書)父として考える (生活人新書)
東 浩紀 宮台 真司

日本放送出版協会 2010-07-10
売り上げランキング : 34894

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 【本の構成】
  まえがき  東 浩紀
  第1章  親子コミュニケーションのゆくえ -家族を考える  
  第2章  子育てを支える環境       -社会を考える
  第3章  均質化する学校空間       -教育を考える  
  第4章  コネ階級社会の登場       -民主主義を考える
  あとがき  宮台真司
  
  という構成となっている。

 【キーワード】
父として考える とは?   

 【くまの感想】
  私も2児の父であり、ついつい、この本の題名につられ手に
  とってしまった。

  特に興味深い点は、コミュニケーションのところで出てくる

  「ツイッター」の登場による変化だ。

  これまでにおこなわれてきたコミュニケーションの形態が
  このツイッターというものの登場により変化する。

  そのところは、興味を引くものがあった。

  ■引用メモ■
   つけ加えれば、そもそも「公的」という言葉のイメージが
   貧しすぎる。本当は子育てなんて、準公的どころか公的
   活動そのものです。子どもがいなければ、そもそも社会
   が存在しないのだから。それがなぜか、「お前が好き
   勝手に子どもを育てているだけだろ」という歪(いびつ)な
   感覚が、若い世代を中心に蔓延している。それは変えて
   いかなければならない。

   ⇒ 子育て=公的活動 という感覚が斬新であった。

  ■引用メモ■
   フィンランドは、人口が530万人ぐらいしかいませんから、
   「できるひとたち」だけで国を回すことは、できません。
   だから、総動員体制下で隣組のような班体制が活用された
   名残りで、戦後教育においても班活動を重視したかつての
   日本を見習うような形で、グループワークを積極的に
   おこなっています。こうれが奏功したわけです。

   ⇒ なるほど。日本もその素質があるということだ。ただし、
      人口が大きく異なっている。

  ■引用メモ■
   いささか逆説的に言えば、ツイッターはむしろそのほうが
   社会的効用を高めるメディアなのではないか。みな、本業
   とは別に無駄話ばかりしていればいい。しかし、その総体
   こそが、実は知の効率的な組織化に資することになる。

    ⇒ これ難しいことを言っているようであるが、イメージが
      わく、得たいの知れない効果が出ているのだ。
      続きがある。

   どういうことかというと、その「無駄話」によって、本来は
   開けるはずだったのに閉じてしまっているコミュニケーション
   の回路が、再活性化されて動き出すからです。

   ⇒ 不思議な現象だ。その人たちはしかし、気づいて
      いない可能性がある。

  ■引用メモ■
   そこで再度ツイッターの例を出させてください。ツイッターを
   使うメリットのひとつは、いろんな分野の専門家をフォロー
   しておくと、その専門知識が勝手にアップデートされてくること
   です。ユーザーにたいした知識がなくても、いまここが最先端
   なんだとか、ここが優れているということを勝手に発言者が
   教えてくれる。ここで重要なのは知識そのものではなく、
   だれをフォローするかだけです。

   ⇒ なるほど。ツイッターをなにげなく使っていると分からない
      分析がここには書いてある。その使い方には興味深い
      ものがある。確かに最近はグーグルを使うよりも
      ツイッターで情報を検索する場合がある。

  ■引用メモ■
   ツイッターは、グーグルによって趣味の共同体の中に閉じ
   篭もっていたひとを、思いがけない偶然でぽんぽんと
   「外側」に連れ出してくれる。ネットワーク理論の言葉で
   言い換えれば、グーグルは、情報のフィルタリングに
   よって人間関係の「クラスター性」を強化するけれど、
   ツイッターは、ユーザーの属人性を介して
   「スモールワールド性」を強化してくれる。

   ⇒ おもしろい分析である。そして納得である。

  父として考えるというテーマとは違ったところで面白い
  テーマ(ツイッター)を勉強することができた。

 出会えた本に感謝。 いつも閲覧いただき、ありがと!感謝!

0 件のコメント: